※この講座は高校時代、軽音楽部のバンドで作詞作曲をしていたサイトウ(@S41T0H)が、「これから軽音楽部でオリジナル曲を作る高校生にむけて伝えたいこと」を闇雲に書いたものです。
~この春から高校に入学したコヤオくんは、軽音楽部に入ったようです~

よ~し、念願だった軽音楽部に入ったぞ! なにやら入部テスト? とかいうのがあったけど問題なく通過できたし、これからバラ色の高校生活が待っているハズ!!!!
筆者が所属していた軽音楽部では「入部テスト」なるものがあって、リズム譜を見ながら手拍子をする「実技テスト」と音楽の基礎知識を問う「筆記テスト」、そして「作文」で入部者を選んでいた……。音大みたいですね。

こんにちは! わたしサスミ。わたしも新入生なの。よろしくね!

(うっわサスミちゃんめちゃ可愛いやんけ……。バラ色の高校生活、さっそく保証されてしまった……。)
ぼ、ぼくコヤオっていいます! よろしくね!

さっそくだけどこの軽音楽部では、自分たちでバンドを組んで「オリジナル曲」を作らないといけないらしいね。先輩たちから聞いて知っていると思うけれど……。

(そ、そうだったのか……。あんまり良くわかっていなかった……。)

も、もちろん知ってるさ! ところで「オリジナル曲」って何だっけ?

「自分たちで作詞や作曲、編曲をして実際に演奏する曲」、って聞かされなかった? それとは反対に有名アーティストの演奏を自分たちで再現するのは「コピー」っていうよね。

ああ、そうだった!
オリジナル曲というのは、作詞・作曲・編曲・演奏をすべて自分達でおこなう曲のこと、とここではしています(もちろん共作することもありますが)。はたしてコヤオくんにはオリジナル曲が作れるのでしょうか。

まずはバンドを組まないといけないんだよね。だれかバンドを組んでくれるひといないかなぁ……。(キョロキョロ)

わたしもまだバンド組めてないんだよね~。よかったら一緒にバンド組んでくれないかしら?

え、僕でいいの!? やったー! ありがとう!(計算どおり……!)
男女混合バンドはいろいろと難しい(経験談)。
コヤオくんはその後も他の新入生たちに声をかけ続け、なんとかメンバーが集まった。
~学校からの帰り道~

よし、僕がギター兼ボーカルで、サスミちゃんはベース、そしてリードギターとドラムとキーボードも見つかったし、これからバリバリ活動していくぞ~! まずは「オリジナル曲」作りだ!

待ったー!!!!!

だ、誰だ!?

我が名はニャンニャン大明神。高校軽音楽の神としてこの学校の隣に1000万年祀られている神であるぞ。さっそくだが君は甘い。甘すぎる。我輩がこれから「ステキな軽音楽部人生を送るための鉄の掟」、教えてやるニャン!

(突然出てきて何言ってるんだこの化け猫、うさんくさ……。)
いったい僕らのバンド「ジ・オクトパスガーデンズ」のどこが甘いというのさ?

(バンド名ダサ……)君らのバンドには色がないんだ。英語でいうとカラー。まず色付けをしないと今後いろいろ詰むぞ。ぜひバンドに色付けをしたまえ。

でも、バンドの色ってこれからいろいろ曲作りをしたり活動をしたりしながら自然とついていくものなんじゃないの? まだ互いにギター鳴らしてすらいないのに色付けって……。それに僕ら、イロモノバンドは目指していないよ……。

ミュージシャンっぽい表現をするな。バンドのカラーを決めることはこれからの作曲活動、ひいてはバンド活動に大いに役立つのニャ~~!!!!

なるほど……。つまりそれは「コンセプト」を決めろ、ってことだね?

わかってんじゃん。
バンドにしろ、ユニットにしろ、ソロにしろ、音楽活動をする際はバンドの色である「コンセプト」を決めておくといい。
最初はざっくりと「明るいバンド」「暗いバンド」「激しいバンド」「静かなバンド」とかでもいいが、バンドとしての「世界観」が決められるとGood。
なぜならバンドとお客さんとの出会いは一期一会。「お客さんに一発で覚えられるキャラの濃いバンド」になるには「そのバンドのアイコン」となるようなコンセプトが必要なのである。

よし、じゃあ僕らのバンド「ジ・オクトパスガーデンズ」のコンセプトは「V系激情派エモ・ハードコアパンク歌劇団」だ!

初手からクセが強いニャ。
- バンドを始める時は、これからの活動の軸となるような「コンセプト」を決めるといい。
- コンセプトははじめはざっくりとシンプルでいい。メンバーで相談して「皆のやりたいこと」の最大公約数的なアイデアを見つけよう。
- コンセプトが決まれば今後の曲作りやステージング、パフォーマンスにも活かせて便利。
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