気づいたら2017年も残り1日。早すぎませんか? やっていないことが多すぎて各方面から怒られる。
先日、以下のような記事を書いたんですよね。
関連記事【今年の10枚】SUNNNY CAR WASH、MONO NO AWAREから岡村靖幸、小沢健二まで……。2017年邦楽から、今年の10枚を選んでみました。【邦楽編】
そこで今回は、個人的に大好きな2017年の洋楽から、アルバム10枚を集めてみました。
僕が選んだ今年の10枚は以下のとおりです。
- Pond『The Weather』
- Calvin Harris『Funk Wav Bounces Vol. 1』
- Kendrick Lamar『DAMN.』
- Morrissey『Low In High School』
- BECK『Colors』
- Queens Of The Stone Age『Villains』
- Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』
- Mura Masa『Mura Masa』
- Boy Pablo『Roy Pablo』
- Lil Peep『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』
ジャンルごちゃまぜ。
この10枚について、選んだ理由をつらつらと書いていこうと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
Pond『The Weather』
まずはじめに、オーストラリア出身のサイケ・ロック・バンド、Pond(ポンド)のアルバム『The Weather(ザ・ウェザー)』を紹介しよう。サイケ・ロック・バンドTame Impala(テーム・インパラ)の元ベース、ニック・オールブルックがヴォーカルを務める。このアルバムは、同じくTame Impalaのフロントマンであるケヴィン・パーカーがプロデュースだ。
テカテカの全裸の黒人が宇宙人と民家や宇宙空間、大自然の中で踊り狂う、大いに頭がおかしいMV。この曲はPond『The Weather』の3曲目、「Paint Me Silver(ペイント・ミー・シルヴァー)」。深いリヴァーブのかかったボーカルが、ゆったりしたビートに乗っかる。丸っこいシンセも良い感じだ。
こちらも『The Weather』から、2曲目。ゆったりしたマイルドな音像に眠くなってくる。サイケデリック特有の不思議なトリップ感を味わうことが出来るのである。それにしてもドラムの音がかっこいい、大好き。
Calvin Harris『Funk Wav Bounces Vol. 1』
続いて紹介するのは、泣く子も黙る新進気鋭の天才DJ・トラックメイカー Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)のアルバム『Funk Wav Bounces Vol. 1(ファンク・ウェイヴ・バウンシズ・ヴォリューム・ワン)』である。
冒頭の空耳「アマイッ!」が有名(?)なこの曲は、『Funk Wav Bounces Vol. 1』1曲目の「Slide (feat. Frank Ocean & Migos)」である。ちなみに「I might」と言っているらしい。
冒頭のピアノからめちゃくちゃかっこいいですよね。入ってくる音に1音のムダもなく、まさに完成されたサウンド、という感じ。Frank Ocean(フランク・オーシャン)といえばアルバム『Blonde(ブロンド)』が2016年話題になりましたね。同じくフィーチャリング参加するMigos(ミーゴズ)はアメリカのHIP-HOPトリオ。
なんかMVが「24K Magic」っぽいですね。流行りなのでしょうか。にしてもカッコいいな。この曲「Bad and Boujee(バッド・アンド・ブージー)」はどうやらTwitterを通じて2016年末にアメリカで流行ったそうな。どうやら、「Raindrop, drop top」というリリックに続けるネタが流行ったみたい。もともとの歌詞が「雨粒が車の屋根に落ちる、車の中でマリファナを吸う」という感じで、後半部分を改変するのが流行ったようだ。たしかにシュールだな。
話を戻そう。
この曲「Feels(フィールズ)」は「Happy」の人ことファレル・ウィリアムスとケイティ・ペリー、そしてラッパーのビッグ・ショーンとのフィーチャリングとなっている。豪華すぎる。
ベースラインはEarth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイア)の「Let’s Groove(レッツ・グルーヴ)」のサンプリングかな。
というわけで『Funk Wav Bounces Vol. 1』、聴いてみてね。
Kendrick Lamar『DAMN.』
次はアメリカのラッパー Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の『DAMN.(ダム)』。2017年を騒がせた元NMB48・須藤凛々花が着ていたTシャツでも話題になった。
参考NMB須藤が着ていた「DAMN」Tシャツ大人気!売り切れ続出 – 芸能社会 – SANSPO.COM(サンスポ) (外部リンク)
りりぽんかわいい。
紹介したいのはアルバム6曲目の「LOYALTY.(ロイヤルティ)」。Rihanna(リアーナ)とコラボしている。リアーナはDrakeと共演する「Work」もかっこいいので聴いていただきたい。「LOYALTY.」の冒頭からずっと流れているサンプリング、どこかで聴き覚えがあるような気がすると思ったら、「24K Magic」の最初のとこじゃん。
大人気だな、ブルーノ。きっと楽屋とかでめちゃくちゃ気が利くんだろうな。
「LOYALTY.」の話に戻ろう。肝心の曲も異論なくイケている。ラップのフロウもクールだし、絡みつくようなコーラスワークも凄い。トラックに関しても緩急の付け方が一流。抜くことロは抜き、揺らすところは揺らす。泥臭いラップ、というよりはあくまでもゴージャスな雰囲気なのである。英語苦手なのでリリックについては割愛する。必聴。
Morrissey『Low In High School』
続いて、元・The Smiths(ザ・スミス)のヴォーカル、Morrissey(モリッシー)の『Low In High School(ロウ・イン・ハイ・スクール)』だ。
特に好きなのがこの「Jacky’s Only Happy When She’s Up on the Stage(ジャッキーズ・オンリー・ハッピー・ウェン・シーズ・アップ・オン・ザ・ステージ)」。
落ち着いた歌謡曲という感じ。ちょうど、Sting(スティング)のような。
この曲、タイトルが「ジャッキーはステージに上がったときだけハッピー」って。どうやらこの「ジャッキー」はイギリス(Union Jack)の隠喩だとかいうウワサもあるようだ。
参考モリッシー新曲 “Jacky’s Only Happy When She’s Up On The Stage” 歌詞日本語翻訳 (外部リンク)
この曲「Spent the Day in Bed」もカッコいい。個人的にこういうテンポ感の歌謡曲みたいなの大好物。ザ・スミスの曲よりも個人的には好きだったりする。
というわけでMorrissey『Low In High School』聴いてみてね。
BECK『Colors』
アメリカの歌手、BECK(ベック)のアルバム『Colors(カラーズ)』を紹介しよう。
非常にダンサンブルな表題曲「Colors(カラーズ)」。思わず身体がノりだすトラックにベックのヴォーカルがうまい具合にマッチする。ベースのビート感がかっこいい。間奏のパン・フルートのようなシンセ・ソロもカッコいい。
続いて、「Up All Night(アップ・オール・ナイト)」。こちらはアメリカ、という感じの踊れるロックというテイストになっている。ちょっとFranz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)っぽいかもしれない。
こういうの好き。カッコいいな。
Queens Of The Stone Age『Villains』
続いて紹介したいのが、アメリカのオルタナティブ・ロック・バンド Queens Of The Stone Age(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)の『Villains(ヴィランズ)』だ。
ガレージ・ロック・チックなこの曲は「The Way You Used To Do(ザ・ウェイ・ユー・ユーズド・トゥ・ドゥ)」だ。ミニマルなノリも、歌い上げるメロディも、ギターの軽いクランチ・サウンドも、全体的にカラカラでスカスカなサウンド・メイキングも、どれをとっても最高。
Cigarettes After Sex『Cigarettes After Sex』
Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)。スカした名前のバンドの、アルバムタイトルはその名も『Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)』。
YouTubeには静止画のオーディオ・ビデオしか存在しなかったので、KEXPのライブ映像を紹介する。
このライブの1曲目でも演奏されているのが、アルバム『Cigarettes After Sex』の1曲目にも収録されている「K.(ケー)」。この「K.」とは、クリスティンという女の子からの手紙の文末のサインだそうな。カッコいいな、くそ~。
参考【interview】“モノクローム”である事への徹底的なこだわり。ロマンティックで儚いCigarettes After Sex、その正体とは? – BELONG Media (外部リンク)
最小限の音で、見事なドリーム・ポップ/アンビエント・ポップを作り上げている。そしてなにより特筆すべきはヴォーカルのグレッグ・ゴンザレス。この髭づらからは想像がつかない、高音で透き通った美声で歌い上げるのだ。
とりあえず、まさに名は体を表すという感じのCigarettes After Sexを一度聴いてみてください。完成された耽美な世界観のサウンドにポップなメロディが乗る、間違いないバンドです。
Mura Masa『Mura Masa』
日本人名のようだが、このMura Masa(ムラ・マサ)、れっきとしたイギリス人である。名前の由来はもちろん名刀・村正。UK発の新進気鋭DJ・トラックメイカー。最高にイカしたトラックを作る。とりあえず『Mura Masa(ムラ・マサ)』から1曲聴いてみてください。
はい、カッコいい~~~! この「1 Night(ワン・ナイト)」、シロフォンのようなシンセが可愛い。可愛いながらも張りつめた温度感のサウンドに仕上がっている。ちなみにMura Masa、現在21歳である。
21歳?
この「Love$ick(ラヴシック)」も、可愛さと緊張感を持ち合わせたサウンドとなっているのである。途中で聴こえるHIP-HOPでよく使うラッパみたいなやつ(エア・ホーン)(参考)が入ってるのもとっても可愛いですね。Mura Masa、可愛い。
kawaii。
Boy Pablo『Roy Pablo』
続いてノルウェイのバンドBoy Pablo(ボーイ・パブロ)のアルバム『Roy Pablo(ロイ・パブロ)』を紹介しよう。まずは何も言わずにこの動画を見て欲しい。
ピンクのパーカーに短パンの少年が変な形のギター弾いてるところからしてちょっと面白いのだが、こっち見るな。
このMV、サークルで宅飲みしてる時先輩から教えてもらったんスけど、めちゃくちゃ笑ったよね。
顔だけ見えているベースが愛おしい。大好きになるだろ。
他の曲も聴こう。
なんのメッセージ性のある映像なんだ。
そして、気付いたら曲もすっと耳についてしまっている。
爽やかなギターに、深いリヴァーブのかかった音像。インディー・ロック特有の気の抜けたローファイな感じが思わずクセになること請け合いだ。
あらためてジャケットを見てみて欲しい。
いや、LINEクリエイターズスタンプに落ちてるよくわからん外国人実写スタンプの色味。そして、ワードアートみたいな雑な立体感と影。
そういえばこれだけ、アルバムじゃなくてEPらしい。ゴメン。
Lil Peep『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』
最後に紹介するのは先日21歳の若さで亡くなったアメリカのラッパー、Lil Peep(リル・ピープ)の『Come Over When You’re Sober, Pt. 1(カム・オーヴァー・ウェン・ユア・ソバー、パート・ワン)』である。
アルバム・タイトルにも入っている“Sober”とは「シラフ」という意味。最近話題のChildish Gambino(チルディッシュ・ガンビーノ)にも「Sobar」という曲がありますね。
そんな『Come Over When You’re Sobar, Pt. 1』から紹介するのは、やっぱり「Awful Thing(オーフル・シングズ)」。グランジ・チックなギターやヴォーカルが最高にカッコいい。彼のスタイルは「Emo Trap(エモ・トラップ)」というらしい。
「Save That Shit(セイヴ・ザット・シット)」もカッコイイよ。このかすれた声が重いビートにマッチする。
彼 Lil Peep は最近あらゆるメディアから注目されていたミュージシャンだったが、2017年11月15日、ODによってこの世を去った。R.I.P.
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