こんにちは、さいとう(@S41T0H)です。
はじめにこんなこと書くのはアレですけど、流行に絶対なんてありません。
ただ、流行に「傾向」はあります。
先日の当ブログの記事「【今年の10枚】SUNNNY CAR WASH、MONO NO AWAREから岡村靖幸、小沢健二まで……。2017年邦楽から、今年の10枚を選んでみました。【邦楽編】」では、SUNNY CAR WASHを紹介しました(この記事でもまた紹介します、しつこく)。
これらに共通するのは「内省的な衝動の詰め込まれた歌詞、かき鳴らすようなギター、非4つ打ちで激しく動くリズム隊」の要素。
内省的な歌詞はクリープハイプやMy Hair is Badからの潮流を引き継ぐものだし、攻撃的なサウンドは2〜3年前に流行ったKANA-BOONやフレデリックといったミニマルなアレンジを否定するもの。
2018年は「激しいバンドサウンド」という感じのバンドがクるはず。
というわけで今回は、そんな新進気鋭の若手バンドを集めました。
2018年に流行る若手バンドは彼らだ。
2018年に流行る若手バンド① リーガルリリー
リーガルリリーといえば「関ジャム」で蔦谷好位置が紹介したことで火がついた「リッケンバッカー」が有名だと思うのですが、あえてここでは2nd mini album『the Radio』から「はしるこども」を紹介したい。
めちゃくちゃかっこよくないですか?
僕は「リッケンバッカー」より「はしるこども」派です。
冒頭から速いビート感で始まるこの曲はAメロで一度静かになり、サビに向け徐々にヒートアップし、サビで爆発する。
ドラムのパワーが凄い。音像もより進化しているような気がする。
うねるようなベースラインも好みです。
歌詞も独特の雰囲気を持つ。
クラクションが、鳴った夜
クラクションを、聴いている
ラジオから流れ出したきみのこと歌い出した曲は、きみの目を轢いた、
というAメロから、サビの「走ってー」という叫びに入る。
「リッケンバッカー」ではサビの叫び(「リッケンバッカーが歌う」という部分)の歌声の細さに少し頼りなさを感じたが、この曲ではその細さが繊細な説得力を持って我々に訴えかけてくる。
何を?
それは、きっと「青春の儚さ」である。
……というとあまりにもありきたりだが、彼女たちはその儚さと、それに伴う焦燥感を「クラクションの音」に重ね、表現する。
あと、ギターボーカルのたかはしほのかさん、「リッケンバッカー」の頃より大人びていません?
垢抜けたっていうのかな。
MVの雰囲気も相まってすごくきれい。
まさに「僕の目を轢いた、」という感じです。
と思ったらほんとうに轢かれてしまった。
参考リンク トランジスタラジオ / リーガルリリー コード譜(と、歌詞の考察。)

2018年に流行る若手バンド② Absolute area
インディーズ音楽アプリ「Eggs」の2017年 年間ランキングにて、バンドとしては第1位になった「Absolute area(アブソリュート・エリア)」。
直訳すると「絶対領域」。
僕もライブ観たことがあるような気がするんだよなぁ。
Eggsから彼らのプロフィールを引用しよう。
東京を中心に活動中の3ピースバンド。略称は「アブソ」。Dr.髙橋響と Ba.萩原知也の力強いリズムにVo.山口 諒也の伸びやかなボーカルが乗る清涼感あるロックサウンド。
らしい。
略称は「アブソ」。かっこいいな。
最初に挙げた曲「続く明日へ」はイントロがちょっと「リニアブルーを聴きながら」っぽい。
ユニゾンスクエアガーデン好きなのかな。
ギターボーカルの諒也くん、本当にいい声してる。
ブルエンにちょっと似てる気がする。
……そうでもないかな?
そんな若き才能、Absolute area。
2018年、更なる活躍を期待している。
2018年に流行る若手バンド③ 揺れるドレス
こちらは大阪のバンドで、Eggsの年間ランキングにAbsolute areaに次いでランクインしている。
なんとまだ高校生らしい。
現在は受験のために活動休止中らしい。
若い……。
2017年夏の10代限定の音楽オーディション「未確認フェスティバル 2017(旧称・閃光ライオット)」のファイナルステージにAbsolute areaやSUNNY CAR WASHと出場した彼ら。
ちなみに「未確認フェスティバル 2015」の準グランプリがリーガルリリー。
この曲「inside popbox」はミドルテンポで跳ねるようなシャッフルビートの曲になっている。
メロディがキャッチー。
少し歌詞を引用しよう。
今日の一日は普通だったって
あしたは何かが変わるだなんて
いつからかきっと
口癖になってしまってさ
頽廃的な、気怠く日常を諦観する感じ、青臭くていいですよね!
次に書くSUNNY CAR WASHとも通じる点を感じるわけです。
2018年に流行る若手バンド④ SUNNY CAR WASH
今回の記事の大本命。単勝。andymoriを彷彿とさせる勢いのあるロックバンド「SUNNY CAR WASH(サニーカーウォッシュ)」。
バンド名が良いですよね。
文法的には危ういが、サニーはサニーデイ・サービスっぽいし、カーはスーパーカーっぽい。
関係ないと思うけれど。
そんな彼らのアルバム『週末を待ちくたびれて』は、当ブログの記事「【今年の10枚】SUNNNY CAR WASH、MONO NO AWAREから岡村靖幸、小沢健二まで……。2017年邦楽から、今年の10枚を選んでみました。【邦楽編】」でも紹介させて頂いた。
どれも粒ぞろいの名曲だが、ここでは「それだけ」という曲を紹介しよう。
嫌いだったあの街に 帰る準備しながら
考えてたことはなんだったっけ
会えなかったあいつらに 会いたかったふりして
考えてたことはなんだったっけ髪の毛の色が変わったあの子を見るのがなんとなく
少しいやだった それだけ
この歌詞を20歳の男が書いているということに少し怖くなる。
関連記事 それだけ / SUNNY CAR WASH コード譜(と、解説。)
髪の毛の色が変わったあの子を見たときの、あの、なんとなくなんだけど、少しなのだけれど嫌な気持ちを、こんなに美しいメロディに乗せて歌い上げるのは、ギターボーカルのアダムくん。
ちなみに彼の使用ギターは andymori 小山田壮平と同じ Gibson ES-335 というセミアコである。
明けましておめでとうございます!
2017年、いい年でした!
2018年、最高な年にしましょう!
ベースメントバー、ハロードリー、ありがとう!!!!
年を越す瞬間にライブしてたの凄いですね!!!!
犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬犬— Adam (@adamatic_g) 2017年12月31日
Twitterの青臭さも120点満点。
SUNNY CAR WASH、間違いなくクる。
彼らが受け容れられない音楽シーンなんてなくていいです。
関連記事 » キルミー / SUNNY CAR WASH コード譜(と、分析。)(簡単弾きアリ、歌詞付き)
2018年に流行る若手バンド⑤ 突然少年
つづいて紹介するのは突然少年。先述の「未確認フェスティバル」の前身である「閃光ライオット 2014」にてグランプリを受賞したバンドだ。
ちなみにこの年の閃光ライオットのファイナリストには「ぼくのりりっくのぼうよみ」も残っていた。
彼ら突然少年は高校の軽音楽部からやっているバンドで、筆者は高校時代から彼らのライブを学校同士の合同ライブや都の高校軽音楽連盟の大会などで幾度となく観ていた。
なんといってもキレキレのライヴ・パフォーマンスは圧倒的な熱量を帯びていて、異質な存在感を当時から示していた。
筆者はこのアルバム『未発達』の1曲目「ロックンロールの神様は消えた」が好きだった。
ギターボーカルの大武茜一郎くんは小柄に眼鏡で、まるで WHITE ASH の のび太(下の画像 右から2番目)のようなのだが、
とにかくバイタリティが凄い。食生活が気になる。
ということで、突然少年から目が離せない。
2018年に流行る若手バンド⑥ ドアノブロック
ドアノブロック。先日行われた「RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 17/18」に出場し見事優勝、賞金100万円とCDJへの出演権を獲得し先日のCDJ 2日目(12月29日)に出演した。
その際のPR文を引用しよう。
Vo.の強度なエラの張りから繰り出される不思議な歌声。リードGt.の圧倒的妖怪感。サイドGt.から醸し出される強烈な陰キャラ臭。Dr.の驚異的な足の臭さから放たれるバスドラの響き。そしてBa.は処女。そんな5人が織りなすポップでロックでファンタジーな楽曲たちにご注目あれ。
軽音楽連盟全国大会出場/歌い人奏で人選手権グランプリ/Vo.が女性上位バンザイオーディション」Vo.部門最優秀賞など
????????
輝かしい経歴が織りなす、クソみたいな紹介文。(褒めています)
強烈なキャラクターを発する可愛らしいボーカルは、セックスフラペチーノ(略称・セクフラ)。
高校生のころはこんな感じでやってました。
たしかこのライブ観に行ってた気がする。
この曲、サビが相対性理論の「ミス・パラレルワールド」っぽいとか言われていた。
今聴くとそうでもないな。
このあと、ベロベロミルクというセクフラちゃんの公式ストーカー? がYouTuberまがいのことをしていたりした(当時よくわからなかったし、今でもよくわからない)。正体はギターのクソメヤさん。
そして、最終的にはこうなる。
ってヤツです。
いい曲だ。
いい曲なんだけど、素直に受け容れられない自分がいる。
ドアノブロック、オススメです。
いかがだっただろうか。
結局、何が売れるのかなんてわかんないよね。
でも、この記事で紹介したバンドはどれも間違いなく粒ぞろいですので、この辺からdigっていけばいつかは紅白に出場するようなバンドを掘り当てられるんじゃないですかね。
多分この記事で紹介したバンドは、紅白なんか出たくないだろうけど……。
(そういう反骨精神あふれる感じのバンド、もっと増えてくれ~!)
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